佐村河内守 新垣隆 交響曲第1番「HIROSHIMA」第1楽章

(FACEBOOKに投稿した文章に加筆)

佐村河内守 新垣隆 交響曲第1番「HIROSHIMA」第1楽章は、YouTubeで聞くことができます。佐村河内さんは名プロデューサーとして再起してほしいですね。新垣さんもその才能に関しては高く評価しているようです。https://www.youtube.com/watch?v=E6PMI331Gmw

管弦楽法は熟達し、重厚な響きをかもしだします。教会旋法に加え、冒頭には、シェーンベルクの「浄められた夜」を思い起こさせる箇所があります。その他連想させる作曲家は、マーラーショスタコーヴィチというよりもトゥビンですね。約20分かかる第1楽章ですが、後半はやや創意に欠け、交響曲全体を70分にするための時間稼ぎのような印象も若干します。第3楽章もYouTubeで聴いたことがありますが、第3楽章よりは、第1楽章のほうが洗練され凝集した音楽になっています。

新垣氏のカバーした分野という点では、彼の存在は(オペラは未発表ながら)コルンゴルド的です。ゲーム 「鬼武者」のサントラである交響組曲ライジング・サン」もYouTubeで聴いてみましたが、こちらは洋楽器と和楽器を巧みに融合したサウンドを創造していることに感心しました。琵琶・尺八が延々と演奏しオーケストラが蚊帳の外の武満徹「ノヴェンバー・ステップス」より、「ライジング・サン」を聴いているほうが面白い音楽体験でした。